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竹田 武司
JAEA-Data/Code 2016-004, 59 Pages, 2016/07
LSTFを用いた実験(実験番号: TR-LF-07)が1992年6月23日に行われた。TR-LF-07実験では、PWRの給水喪失事象を模擬した。このとき、一次系フィード・アンド・ブリード運転とともに、補助給水系の不作動を仮定した。また、蒸気発生器(SG)の二次側水位が3mまで低下した時点でSI信号を発信し、その後30分で加圧器(PZR)の逃し弁(PORV)開放による一次系減圧を開始した。さらに、SI信号発信後12秒でPZRの有るループの高圧注入系(HPI)の作動を開始し、一次系圧力が10.7MPaまで低下した時点でPZRの無いループのHPIの作動を開始した。一次系とSG二次側の圧力は、PZRのPORVとSGの逃し弁の周期的開閉によりほぼ一定に維持された。PORVの開放にしたがい、PZRの水位が大きく低下し始め、高温側配管では水位が形成した。HPIの作動により、PZRと高温側配管の水位は回復した。一次系圧力はSG二次側圧力を下回り、両ループの蓄圧注入系(ACC)が作動した。炉心露出が生じなかったことから、PORV, HPIおよびACCを用いた一次系フィード・アンド・ブリード運転は、炉心冷却に有効であった。本報告書は、TR-LF-07実験の手順、条件および実験で観察された主な結果をまとめたものである。
久木田 豊; 田坂 完二
Natural Circulation in Single-Phase and Two-Phase Flow, p.77 - 83, 1989/00
PWRの蒸気発生器2次側水位が著しく低下した状態での1次系内自然循環現象は、給水喪失事故等の解析に関し重要である。本報では、ROSA-IV LSTF装置による自然循環実験で観察された蒸気発生器伝熱管の非一様流動挙動について述べる。本実験で見出された新しい現象の一つに、伝熱管を通過する流量の振動現象があるが、計算コードCATHAREによる解析に基づき、本現象の重要因子の一つが蒸気発生器2次側の蒸気の温度成層があることを示す。
C.P.Fineman*; 田中 貢; 田坂 完二
JAERI-M 83-088, 50 Pages, 1983/06
LSTFとPWRの給水喪失過渡の解析をRELAP5/MOD1(Cycle 1)コードで行い、LSTFの模擬製の検討を行った。主給水喪失(基準ケース)、全給水喪失、主給水喪失とタービンバイパス弁の故障が重なった場合、および主給水喪失の後スクラム時に主冷却ポンプがトリップした場合の4ケースの解析行った。その結果LSTFによりPWRの主給水喪失過渡をよく模擬出来ることが明らかとなった。しかし主給水喪失以外の故障が重なった他のケースではLSTFとPWRの挙動に差が生ずる。問題点は炉心出力と流量がLSTFの場合定格の14%しか無いこと、蒸気発生器2次側の初期水量、およびジェットコンデンサーの運転方法である。これらの点についてはさらに解析を行い、模擬性を向上するための実験方法を見い出す必要がある。